相続に関する調査、遺産分割

相続に関する調査、遺産分割

不在者財産管理人選任を申立て、遺産分割を解決した事例

【ご相談前】

Aさんは、自身が叔母様の相続人となることから、叔母の相続人の調査を開始したところ、①相続人が複数人にわたり、戸籍調査においては各市町村から戸籍が必要な理由の説明を求められたうえ、②相続人のうち1名は住民票が職権削除されており、所在がわからない方がいらっしゃったことから、当事務所に相続人調査と遺産分割のご依頼をされました。

 

【ご相談後】

当事務所において戸籍取得による相続人調査を開始したところ、Aさん以外に7人相続人がいることが判明しました。
そして、うち1名(以下「Bさん」とお呼びします)は、当事務所において住民票や戸籍を調査し、各住所宛にお手紙をご送付いたしましたが、お手紙はすべて宛所不明として戻ってくることとなり、現在の所在を調査することはかないませんでした。
 そこで、Bさんが所在不明の状態において遺産分割手続きを進めるべく、不在者財産管理人選任を申立てて、裁判所よりBさんについて不在者財産管理人を選任していただき、同不在者財産管理人を相手方として、遺産分割調停を申し立てました。調停のなかでは、概要、「遺産はすべてAさんその他2名が相続し、Bさんが帰来した場合には、AさんがBさんに対して金〇円(Bさんの相続分相当額)を支払う」との内容の当方より遺産分割調停案を提示し、同案のとおりの調停が成立しました。

 

【弁護士からのコメント】

(1)相続人調査について

相続手続きにおいては、相続人の調査が必要となりますが、相続人調査は、戸籍を読み解きながらその戸籍と続く戸籍を改めて請求することを繰り返す方法で進めるほかなく、多大な労力と時間が必要になるうえ、戸籍筆頭者との関係性が遠ければ遠いほど、戸籍を取得するにはなぜその戸籍が必要なのかなどの説明が必要になります。
本件は、そのような煩雑な相続人調査をAさんからお引き受けすることができた事案でした。
(2)相続人に不在者を含む場合の遺産分割

遺言がない相続においては、相続人全員による遺産分割が必要です。そのため、相続人に不在者がいる場合には、同不在者の代わりに不在者財産管理人に遺産分割に参加していただくことになります。
(3)帰来時弁済型の遺産分割
 不在者財産管理人は、遺産分割において、不在者に不利な内容で遺産分割を進めることはできませんので、本件でも、Bさんは出生日からご健在である可能性が低いことは見込まれつつも、Bさんに対して相続分相当額の財産を得られる内容とすべきというお話になりました。そこで、Bさんに相続分相当額の財産を承継いただきつつ、Bさんがご不在の状況においては、同財産をAさんが保有できるよう、いわゆる「帰来時弁済型の遺産分割条項」の案を提示し、調停を成立させることができました。

お気軽にお問い合わせください

phone_in_talk029-231-4555

受付時間:平日09:40~17:20

expand_less